車道統一型インターロッキングブロックを開発しました。

舗装機能に着目してブロックの規格や形状の統一化を目指した車道統一型インターロッキングブロックを開発しました。現在、全国の会員と連携して、車道へのブロック舗装の普及を目指しています。
※注意:工業所有権により車道統一型インターロッキングブロックの製造は、当工業会及び(一社)インターロッキングブロック舗装技術協会の会員に限定されます。

開発のコンセプト開発のコンセプト

  1. ①意匠性の高いストレートタイプで高性能な舗装機能
  2. ②形状などの仕様を統一することで、補修時などに発生する諸問題を解決
  3. ③車道に求められる耐久性を確保(ライフサイクルコストの低減)

国内外の各種論文や海外の現地調査を基にブロック形状を考案1.国内外の各種論文や海外の現地調査を基にブロック形状を考案

特に車道へのブロック舗装の普及が進んでいる諸外国の様々なブロックの調査を行いました。得られた情報を基に目地―キープの形状に着目して開発を進めた結果、車道統一型インターロッキングブロックの基本形状を考案しました。

車道統一型インターロッキングブロックの基本形状を考案

室内試験による性能評価2.室内試験による性能評価

今回考案したブロック形状が目標性能を有していることを室内試験で確認しました。各種試験結果から、車道用のブロックに適した基本性能を有していることが確認できました。代表的な試験結果を以下に示します。

(1)小型FWDを用いた衝撃荷重による荷重伝達率の測定

ブロック相互のかみ合わせによる荷重分散効果を測定する方法として、小型FWDによる試験を実施しました。ブロック上の中央に小型FWDによる衝撃荷重を載荷して、センサーによる荷重伝達率を測定しました。車道統一型インターロッキングブロック(80mm)の荷重伝達率は、ストレートN型・波形N型(100mm)と同等であることから、優れた荷重分散効果を有していることが確認されました。

小型FWDによる荷重伝達率の測定小型FWDによる荷重伝達率の測定

荷重伝達率の測定結果荷重伝達率の測定結果

(2)平板載荷試験による沈下量の測定

複数のブロックに対して、輪荷重が鉛直に作用する場合の荷重分散効果を確認するために平板載荷試験を実施しました。ブロック上の中央で直径17cmの載荷板を使用して静的荷重(5.0tf)を載荷して、載荷点直下の沈下量を測定しました。試験の結果、車道統一型インターロッキングブロック(80mm)はストレートN型(100mm)と同等の沈下量を示しました。このことからも車道統一型インターロッキングブロックは、ストレートN型(100mm)のブロックと同等の荷重分散効果があることが分かりました。

平板載荷試験平板載荷試験

平板載荷試験の測定結果平板載荷試験の測定結果

(3)引抜き試験による引抜き抵抗値の測定

隣接するブロックに作用する圧縮力によるかみ合わせ効果を把握する目的で引抜き試験を実施しました。車道統一型(80mm)の引抜き抵抗の最大荷重は、ブロックの側面積が大きいストレートN型(100mm)と比較しても大きな値を示しました。このことからも車道統一型インターロッキングブロックの優れた荷重分散効果が確認されました。

引抜き試験引抜き試験

引抜き試験の測定結果引抜き試験の測定結果

車道用のブロックに適した材料・配合を調査(ラベリング試験)3.車道用のブロックに適した材料・配合を調査(ラベリング試験)

材料や配合を変えた試験体(即脱ブロック)を作製し、ラベリング試験を実施しました。この試験結果を基に車道統一型インターロッキングブロックの仕様を規定し、車道に求められる性能を確保、高耐久を実現しました。

ラベリング試験(開始前)ラベリング試験(開始前)

試験後の試験体(表面)試験後の試験体(表面)

試験後の試験体(断面)試験後の試験体(断面)


試験施工による施工性の調査4.試験施工による施工性の調査

今回考案した車道統一型インターロッキングブロックの施工性を確認する目的で試験施工を実施しました。従来のストレートN型(80mm)と同等の施工性能であることが確認できました。また、施工を担当された作業員の方から、「感覚としてだが、かみ合わせ効果がとても高い」との意見も得られました。

試験施工の状況(ブロック敷設作業)試験施工の状況(ブロック敷設作業)

試験施工の状況(ローラー転圧)試験施工の状況(ローラー転圧)


実路による長期供用性調査により高い耐久性を確認5.実路による長期供用性調査により高い耐久性を確認

一般社団法人インターロッキングブロック舗装技術協会に委託し、2010年度より福岡県鞍手郡小竹町道に車道統一型インターロッキングブロックを敷設し、定期的に供用性能の調査を行っております。10年以上が経過した現在も特に問題は無く、優れた性能を発揮しております。

施工後の追跡調査の状況施工後の追跡調査の状況

施工から10年が経過した状況施工から10年が経過した状況


更なる施工の省力化や施工速度の改善を目指して6.更なる施工の省力化や施工速度の改善を目指して

車道への普及に対しては、ブロック性能以外に施工性の改善が課題であると考えています。当工業会では、海外視察を継続して行うなど、最新の機械化施工技術を調査し、国内への導入を検討しています。

施工マシンメーカー(ドイツ)での調査施工マシンメーカー(ドイツ)での調査